以前、発達障害をもつ子どもを育てる母親から、こんな話しを聞いた事がありました。そのお母さんは、「発達障害」を知らなかった私に、こんな説明をしてくれたのです。

 

「発達障害」のような、障害をもつ人々と接した事がない人には、障害の様子を説明してもなかなか分かってくれない事が多いのだそうだ。それは、家族間や親戚内などの身近な関係でも同じ事で、実際に発達障害がどういったものなのかは、言葉で説明をしてもとても分かりづらいものなのだそうです。そんな彼女が、子どもの障害の状況を説明する時に、印刷機を用いて説明するようになったそうなんです。印刷機やコピー機はご存知ですよね?と話始めた、彼女に、私は、ただ「ハイ」と返事を繰り返すだけでしたが、話を聞き終わってみると、発達障害の抱える現状がなんとなく掴めた気持ちになりました。

 

職場で、コピー機を使おうとした時、スイッチを入れても、コピーされた用紙が出て来なかったら、どうしますか?と質問されたので、「まずは、インクの状態を確認します」と答えると、たいていの方はそう答えますと、彼女の話が始まりました。コピー機の調子がおかしいなと思ったら、まず、インクの調整を試みる人がほとんどです。または、コピー機に紙詰まりが無いかどうか、確認すると言った人も多いそうです。コピー機が故障したのかな・・・、と思う前に、まずは、インクの状態や紙詰まりを見た時に、そのコピー機の状態が、なんとなく分かりますよね。なんだぁ、インクが切れてるから新しい物と交換しようだとか、前に使った人が、紙詰まりを起こしたのかな・・、などといって、コピー機の不具合の場所を見つけて直すことができますよね。ですが、インクは十分にあって、紙詰まりも起こしてないとなると、コピー機のどこを確認しますか?「内部の機械的な問題となると、業者さんに連絡します」と答えると、専門家に助けを求めて、コピー機の故障の点検を行うという事ですね?と彼女の説明が、コピー機から、発達障害の説明に替わっていきました。コピー機の故障を、発達障害の故障として考えてみて下さい。インク切れや紙詰まりは、外観や経験から、たいていの人は思いつき、直す事ができます。ですが、内部的な故障の問題となると、素人には判別がつかず、専門家の知識が必要となりますよね?外観からは、その故障を想像する事は難しいはずです。人間のもつ障害は千差万別です。コピー機の故障のように、インク切れなどの障害でしたら、周囲の人々もすぐに、何かしらの手当てができ、問題点があるのだなと気付きますが、コピー機の内部的な故障のように、外観からは分かりづらい部分の障害は、一般の人々には理解しづらいかもしれません。人間には、様々な障害があり、全てが手に取るように分かるものではないのです。障害の程度やその箇所で、その人の行動や振る舞いに違いが出てくるのは当然の事なのだと説明してくれました。目の見えない障害、話すことができない障害は、外見から察することがある程度は可能です。発達障害が分かりづらいのは、脳の障害であるからのようです。多かれ少なかれ、私達には違いがあります。それが、障害であるとは、どこからが境界線なのでしょうか?彼女の話を聞いたのち、その境界線を考えてみたくなりました。

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